「遊」「食」「寝」を1人ひとりのペースで!~理念と向き合った結果、保育室の壁を壊しました~

当社は坂戸市で4園の保育施設を運営しています。
保育目標は➀【しっかり食べ、よく遊び、ぐっすり眠る】②【「自ら考える力」「伝える力」「社会性の基礎(人への信頼・自己肯定感)」を育む】です。
保育目標の達成には、日々の積み重ねが大切です。
どんなに意志の強い人間でも、常に目標達成の為に高い意識を持ち続けることは困難であるため、常に目標に向かって進んでいけるような環境や仕組みを作ることが大切です。
今回私たちは、保育目標の一つの【しっかり食べ、よく遊び、ぐっすり眠る】と向き合いました。

園児の登降園時間は保護者の就労状況によって一人ひとり異なります。保育園は生活の「場」でもあるため、この一人ひとりが完全に同じではない生活リズムの中で、一人ひとりの生活の流れを止めず生活できるかが非常に重要になります。

保育園の子どもの生活は大きく「遊ぶ」「食べる」「寝る」の3つに分けられます。
子どもたちの生活の流れを止めないためには、「遊」「食」「寝」のスペースが確保されていることが大切です。

保育園が「子ども一人ひとりの生活の流れを止めない」ことを大切にすれば、ゆっくり食べたい子どもに対し「そろそろ眠る時間だから給食を早く食べて!」、まだ寝たい子どもに対し「時間だからそろそろ起きて!」という望ましくない声掛けは園には存在するはずはありません。
当社が運営する「フラップ坂戸保育園」ではこれまで、様々な工夫を行ってきましたが、ホールと保育室の間にある腰壁の存在が「食」のスペースを自由に伸縮させることを妨げていました。
今回、この「腰壁」を撤去することで、必要に応じて「食」のスペース(ランチスペース)を広げることが容易にできるようになりました。
十分に体力が有りお昼寝が不要な子どもは「遊」のスペースで、「寝」のスペースで眠る子どもたちの邪魔にならないように遊びます。
時間が経つにつれ給食を食べ終わる子どもが多くなることから、「食」のスペースを狭くする代わりに「遊」のスペースを広くする必要が生じますが、腰壁を撤去したことで、これまでと比較して各段にスペースのコントロールが容易になりました。
※お昼寝の必要性に対する当社の考え方については、また別の機会に園だよりで共有させていただきます
また、途中で起きた子どもにお昼寝を強要することは子どもの成長段階によっては不適切な接し方であると考えています。スペースがコントロールできればそういった不適切な保育も園から遠ざけることが出来ます。

スペースのコントロールが出来ない園は、子ども一人ひとりのペース、興味・関心ではなく、「時間」を優先せざるを得なくなります。
常に時間によって出される指示に従うだけでは子どもの「自主性」を育むことは困難です。

当社の職員は私たちの保育理念・目標等をしっかりと理解しています。今回の腰壁の撤去は幼児(3~5歳児)クラスの職員からの提案でした。
腰壁を撤去したことで、「遊」「食」「寝」のスペースのコントロールができるようになりましたが、その一方で、スペースを広くとれるようになったことから遊びが大きく広がり、玩具の片づけがこれまで以上に難しいものとなってしまうという問題点が生じました。

幼児クラスの職員は、こうなることは事前に理解していました。
しかし、自分たちの理念・保育目標に対する理解と賛同があるからこそ新たな問題が生じることを理解しながらも「壁の撤去」を提案してくれました。

常に保育という仕事を行う上で「子どものためになるか?」を考えられる本物の保育士が当社には多くいてくれることを有難く、そして誇らしくもあると思っています。
 
新しい問題にも粘り強く向き合っていきたいと思います。